糸井さん 「僕らのAI論」で人工知能を語る MOTHER3も話題に

糸井さん 「僕らのAI論」で人工知能を語る MOTHER3も話題に

糸井さんは7月15日発売の「僕らのAI論 9名の識者が語る人工知能と「こころ」(編著・森川幸人) 」にて、近年急速な発展を遂げるAI (人工知能) についての持論を明らかにしました。なおMOTHER3についても少しですが触れています。

僕らのAI論」は糸井さんを含む9人の識者がAIと”こころ”の関係性について語る一冊で、糸井さんは「AIはあくまで道具であってほしい」とする考えを明らかにしています。

単純作業や危険作業をAI搭載のロボットに任せ、人間はクリエイティブな仕事に従事すればよい―AIの活用を考える上でよく用いられる論法ですが、糸井さんは日常でクリエイティブな仕事やアイデアのみを求められる場面はそれほど多くなく、クリエイティブのみが必要な場面自体が限られるのではと指摘。頭の良い人が単純作業を無駄と切り捨てて、その単純作業の奥底にある「編み物という単純作業をしていると心が落ち着く」といった人間性を軽んじているのでは―とも語っています。

またMOTHER3に登場した「ぜったいあんぜんカプセル」―その中にいれば絶対安全だが一度入ると二度と出られない―を例に出し、それが良いのか悪いのか、現在語られているようなAIの進化の先にあるディストピアなのかもしれないとしています。

思いがけないアクシデントや不慮の事故に遭遇した時にどういう態度を取るのかに人間の本質が現れてくる、その繰り返しが人としての成長となっていくとして、安全圏に留まって外に出ない、偶然に身を投じないのは勿体ないのではとのこと。その上でAIに「偶然」を学ばせる必要性を指摘しています。

現代のコンピューターやAIの礎となる理論を確立した英国の数学者アラン・チューリングの死から65年となる2019年 (令和元年) 。日々進化を遂げているAIはますます身近な存在となりつつありますが、糸井さんをはじめとする9人の識者が本書で語るAI論は現代を生きる私たちの道標の一つとなることでしょう。

糸井重里氏に聞く、雑用をAIにやらせる未来が「ディストピアかもしれない」理由

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