『MOTHER3』には、徹底された旧作からの脱却があります。
『MOTHER3』はシナリオ全体を通じて、終盤付近まで、
どの世界、いつの時代なのか…ということが、全て隠されています。
これらは皆さんに想像の余地を残すために
糸井さんがあえてそのようにしたということなのかもしれませんが、
ニンテンドウ64で開発されていたときの『
MOTHER3 豚王の最期』では、
前作に登場した町の看板やビルが倒れ、まるで核戦争で世界が滅びたかのような、
廃墟と化した世界が描かれている、とても興味深い画面写真が公開されました。
『MOTHER3』の物語を終えてもう一度この写真を観てみますと、
実は『MOTHER3』は、シリーズで最も未来のお話であるように思えてきます。
そして、『MOTHER3』の非常にせつないシナリオにつながっている、
前作と『MOTHER3』の間に起きた「物語」が、少しずつ想像できます。
もちろん、これだけで『MOTHER3』の時間軸を決めるのは適切ではありません。
しかし『MOTHER3』を進めていくと、これが限りなく事実に近いと思えてくる…。
前作の登場人物はほぼ全員が無残にも死亡し、
世界も宇宙人ではなく、人類自らの手によって滅んだ。
…という確信を持てるようになってきます。
映画「ターミネーター」で、人類が自らの手でその身を滅ぼしたように…。
現代文明を謳歌する前作と、それを持ち上げるファンの皆さんを、
これでもかというほどに、容赦なく打ち壊す。
それまでファンの皆さんが異常に神格化していた、前作の人やモノを、
徹底的に叩き潰した上に、『MOTHER3』の物語が展開される。
情け容赦ない、旧作からの脱却と刷新…
まさに「改革」とも言うべき前進が『MOTHER3』にはあります。
そしてだからこそ、それまで旧作を最高だとされていたファンの皆さんからも
シリーズ最高傑作と呼ばれるほどに『MOTHER3』は評価されているのです。