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バリューセレクション MOTHER1+2

MOTHER サウンドトラック
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2006年6月27日(火) 12時25分 熟成されていく物語、それがMOTHERシリーズ
MOTHER3の発売から2ヶ月が経ちました。
過去のシリーズの縛りにとらわれず、逆にそれらを派手にぶち壊し、
新しいMOTHERシリーズの世界観を見せてくれたMOTHER3は、
私自身、頭を思い切り殴られたような衝撃を受け、そのあとで非常に痛快なものが残りました。
これまでプレイしたどんなゲームにもなかった、かけがえのないものがありました。
「シリーズ最高傑作」
以前書いたこの評価は全く揺らぐことなく、むしろ逆にその思いを強めています。
この作品は「MOTHER3」と呼ばれるに十分なだけでなく、
過去のシリーズという「重荷」をもろともしないシリーズ最高の完成度を持っていることが、
プレイするごとに、よく分かってきたのです。
おぼつかなかった感想や評価が、日が経つごとに、良いほうへ、良いほうへ固まってくる。
歴代のシリーズも、発売当初の評価は芳しいものではありませんでしたが、
時間を書けるごとに熟成され、思い出になり、今の評価がある。
MOTHER3も、それと同じ、いやそれ以上に、良い方向へ向かっていく要素を最大限備えた物語です。
批判があるというのは、ある意味、シリーズ作品の宿命。
見た目だけに対する「浅い」ものから、致命傷を大きく見せ塩を刷り込む「深い」ものまで…。
しかし、それらが浅いか深いか、的を得ているか否かに関わらず、
初期の絶賛・批評は、必ずしも最終的な評価に影響を与えるとは言い切れません。
MOTHER1+2が、「一点の曇りもない名作」だとする一評価があります。
では、MOTHERとMOTHER2が発売された1989年と1994年、
または今全く新しくMOTHER1+2をプレイしようとされている初心者の皆さんも、
これと全く同じ評価をするだろうか?
もちろん、「No」ですね。
MOTHER3から12年、17年前という、システム的に枯れすぎたMOTHER1+2は、
今、純粋に1ゲームとして再評価を行った場合、
初心者の皆さんにとって不親切だったり、唐突だったりして好きになれるかどうかは分かれるところです。
見返せば、物語もMOTHER3より、ある意味でかなり「破天荒」。
一少年が、いきなり「世界を救え」と言われてすぐ冒険に出かけたり、
他人が他人に宛てたテレパシーに誘われ、いきなり冒険に向ったり、
MOTHER3のように、確固とした物語展開の枠組みが甘くルーズさがあったり。
これらを、ファンの皆さんが「物語が面白い少年少女の物語」と評価する一方、
「こんな理由から世界の平和を守る冒険につながるというのは意味不明だ」「展開が滅茶苦茶」
と評価される初心者の皆さんがおられるということも、また事実だったりする。
木村拓哉さんの出演されるMOTHER2のCMも、
ゲームソフトのCMでありながらゲーム画面を流さないという内容から、当時は批判も呼びました。
もちろん、これはMOTHER1+2を貶す意味では全くなく、
実際、MOTHERシリーズとは無縁だった初心者の皆さんの評価は、
ゲームに詳しい皆さんが、どんなにゲームの良さを力説しても、
ゲームに詳しくない皆さんが「ゲームは頭を悪くするもの」「ゲームは良くないもの」
という見方からなかなか考え方を変えられないことと同じように、
冷静かつコールドなものが少なくないのが現実だったりします。
特定分野に詳しい方々と、一般の皆さんの評価は、一致しないことが多いもの。
特定ジャンルについて専門的になりすぎた結果、
それらに興味が薄い一般の皆さんの趣向を汲み取れていなかったことは
「脳トレ」などのDSソフトの大ヒットが証明しています。
特定の皆さんだけにウケていたけど、イザ少し外に踏み出したら、外界の視線は全く違っていた…。
マニア的思考に傾倒し過ぎた結果、それらに興味のないその他大勢の皆さんとの溝が深まる…。
熱狂的なファンの皆さんと、コールドな一般の皆さんとのギャップがそこにあります。
MOTHER3は、まだ発売されてわずか2ヶ月。
評価も感想も、今のところ先んじてプレイされた往来のファンの皆さんが中心になっています。
MOTHER3がおおむねファンの皆さんの間で、高い評価や感想を得つつあることは、
以前実施させていただいたご感想投票や、ほぼ日に寄せられているご感想から、
まず確信できるものと思っています。
ファンの皆さんの期待を裏切ることは、ある種MOTHERシリーズの"定番"。
「こんな展開は許せない!」ではなく、「なぜこんな展開になっているのか?」
「今回糸井さんがMOTHER3でみせたかったことは何か?」
「真っ向から否定せず、一つ一つ深く掘り下げていった先に見えるものは?」
と考えてみると、そこから、MOTHER3の「深さ」「魅力」が見えてくる。
多くのファンの皆さんは、この糸井さんのメッセージを受け取ってくれたんだと思います。
一方、比率的には少数ではありますが、内容を徹底的に酷評される皆さんもおられます。
感情論は決して的を得ているものとは言い切れませんが、
胸に突き刺さる言葉と感情が込められた批判は、それだけ許せないという思いの表れだと思います。
もし、MOTHER3を高く評価される皆さんが、これら批判を目にしたら、
怒りのあまり頭に血がのぼり、パソコンの液晶画面を殴りたくなる衝動に駆られるかもしれません。
なぜなら、そうした批判もまた、的を得ている側面があるからです。
糸井さんも、MOTHER3の発売前に
「格上げされた「思い出のゲーム」と、戦わなきゃならないというのは、きっついですよー。」
とおっしゃっていましたが、その理由も、発売後の今だからこそ良く分かります。
現実に、糸井さんがMOTHER3で届けようとしたメッセージが「思い出」に阻まれ、
格上げされた「思い出のゲーム」を片手に、MOTHER3を批判される皆さんも存在します。
実際は、過去の「思い出のゲーム」よりシステムや完成度で上回っていても、
美化された「思い出」に打ち勝つというのは、本当に苦しいもの。
12年間熟成されていつのまにか誇大評価されてしまったMOTHER2という「思い出」、
1人の「ぼく(主人公)」が、スマブラ参戦で「ネス」という人格に拡大されてしまった「思い出」、
12年間の年月という「思い出」、2000年8月22日のMOTHER3開発中止発表という「思い出」…
糸井さんは、これら「思い出」に対峙しなければならなかったのです。
それだけに、MOTHER3で、これら「思い出」から逃げる「前作の焼き直し」という手法をとらず、
あえて「前作をぶち壊し、新しいMOTHERシリーズの世界を見せる」ことを選んだ糸井さんは、
似たもの揃いの続編がシリーズ作品に見られがちになった近年では、
まさに英断に値する「覚悟」と、「本気」を私達に見せてくれたといえるでしょう。
そしてこの糸井さんの「本気」と、それによって出来たMOTHER3は、
必ずや、将来、私達の思い出にしっかり残る「名作」となる素質を備えています。
「初期の絶賛・批評は、必ずしも最終的な評価に影響を与えるとは言い切れません。」
と、最初のほうで書きましたが、糸井さんもおっしゃる通り、
MOTHER3は歴代のシリーズ同様、「あなたが、たくさん思えば、(MOTHER3は)大きくなります」
「たくさん感じれば、深くなります。楽しんでくれるほど、育ちます」。
つまり、これからが、真のMOTHER3の評価・感想が固まっていく「思い出」の始まりなのです。
往来のMOTHERファンの皆さんの一次評価は、ほぼ揃いつつあります。
しかし、これまで全くMOTHERシリーズをプレイしたことがない一般の皆さんの評価・感想は、
これから形作られていくのです。
MOTHER3は、6月11日までにおおよそ30万本台半ばが販売されました。
このペースなら、40万本台という歴代シリーズの販売本数にも、遠くない将来到達すると思われます。
これからは、MOTHERシリーズを初めてプレイされる皆さんが、
口コミや興味などでMOTHER3を購入され、評価・感想を語られることでしょう。
往来のファンの皆さんと、新しいファンの皆さんの評価・感想が混じり合うとき、
これまでおぼつかなかった感想・評価は、次第に固まり始め、
そして歴代シリーズと同様に、「思い出」へと変わっていくことでしょう。
発売されたばかりのMOTHERとMOTHER2も、決して当時から最高の評価を受けたわけではなかった。
今日まで長い間「思い出」として語られてきたから、それ相当の評価に至っている。
MOTHER3も、それと同じ、いやそれ以上に、「名作」という「思い出」になっていく要素を備えています。
まさに、「MOTHER3は、これからが本番」。
熟成され、「思い出」になるとき、MOTHER3は「名作」という評価・感想を得ると確信しています。
管理者 アポロ船長
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